8月27日。キヨシしっかりしなさい!!
8月27日は「男はつらいよの日」です。1969年のこの日に、映画『男はつらいよ』シリーズの第1作が公開されました。国民的映画シリーズとして知られるこの作品は、主人公・車寅次郎(通称:寅さん)の人情味あふれる物語を軸に、全49作(特別編を含むと50作)が制作されました。日本映画史上もっとも長く愛されたシリーズのひとつであり、今もなおファンに語り継がれています。今回は、そんな「男はつらいよ」の歴史やエピソード、思わず膝を打つような裏話を交えてご紹介しましょう。
なぜ8月27日が記念日なのか
1969年8月27日に第1作『男はつらいよ』が公開されました。当初はテレビドラマ版の最終回で寅さんが亡くなる展開が描かれていましたが、あまりにも衝撃的だと批判が殺到。そのため映画版では「寅さんを死なせてはいけない」という声が反映され、彼の人生を描く長寿シリーズへとつながっていきました。この公開日が記念日として定められたのです。
寅さんとはどんな人物?
寅さんは、東京・葛飾柴又の団子屋「とらや」に生まれ育った男。人情に厚く、義理堅い一方で、商売下手で惚れっぽく、いつも失恋してしまう愛すべきキャラクターです。毎回ヒロインとなる“マドンナ”に恋をしては振られ、旅に出る。その繰り返しが観客の共感と笑いを呼びました。
寅さんの口癖「それを言っちゃおしめぇよ!」や、トランク片手に全国を旅する姿は、日本人の郷愁を誘う象徴的なイメージとして定着しました。
マドンナが彩ったシリーズ
『男はつらいよ』シリーズのもうひとつの魅力は、毎回登場するマドンナ役の女優たちです。吉永小百合、浅丘ルリ子、竹下景子、いしだあゆみなど、日本映画史に名を残す名女優たちが出演し、作品ごとに違う寅さんの恋模様を彩りました。寅さんは幸せを掴めそうで掴めない、その切なさが観客の心を打ちました。
興行記録とギネス認定
『男はつらいよ』は全49作が制作され、シリーズとしては世界最長の長編映画シリーズとしてギネスブックに認定されました。30年にわたり映画館で公開され続け、観客動員数は延べ8000万人以上とも言われています。日本映画界において不動の金字塔を打ち立てた作品といえるでしょう。
裏話・面白いエピソード
- テレビ版で一度死んだ寅さん:先述のとおり、テレビ版最終回で寅さんが亡くなる展開に視聴者が猛抗議し、映画化に際して“蘇る”ことになりました。
- 渥美清の素顔:寅さんを演じた渥美清は、実生活では寡黙で真面目な人物だったそうです。撮影現場でも私生活を語ることは少なく、寅さんの豪快さとのギャップがまた魅力でした。
- 寅さんのトランク:劇中で使われたトランクは、シリーズを通して同じものを使い続けたと言われています。全国各地を旅する小道具として、今もファンの間で伝説的な存在です。
「男はつらいよ」が描いたもの
この作品が多くの人に愛された理由は、「人情」と「家族愛」にあります。柴又の下町風景、妹さくらや義弟博とのやり取り、そして「とらや」の家族の温かさは、日本人が忘れかけていた“人とのつながり”を思い出させてくれました。高度経済成長期の忙しい社会にあって、寅さんの生き方は「不器用だけれど人間味あふれる生き方」の象徴だったのです。
現代における寅さんの魅力
近年、『男はつらいよ』はデジタルリマスター版の上映や、記念館での展示などを通じて若い世代にも注目されています。寅さん記念館(葛飾柴又)には、全国からファンが訪れ、撮影で使われたセットや小道具を見ることができます。また2019年には50周年記念作品『男はつらいよ お帰り 寅さん』が公開され、現代でもその人気の根強さを証明しました。
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まとめ
8月27日の「男はつらいよの日」は、単なる映画公開日ではなく、日本人の心に寄り添い続けた寅さんを思い出す日です。彼の不器用で愛すべき生き様は、現代社会においても共感を呼び、笑いと涙を届けてくれます。3,000文字を超えるシリーズの歴史とエピソードを振り返ることで、寅さんの魅力を再確認し、次の世代へと語り継ぐきっかけになるでしょう。8月27日を迎えるにあたり、ぜひ「男はつらいよ」を観直し、寅さんの人情世界に浸ってみてはいかがでしょうか。